こんにちは、千葉県柏市で美容師をしているTAMIOこと奥田です^^
私事ですが最近、興味を持っているカラー剤があります。
それが「ヘナ」と呼ばれるカラーです。
一度は耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか?
ですが実際にどんなカラーなのか、あまり知られていないのも現状です。
なので今回はヘナと呼ばれるカラーについて簡単に解説していきたいと思います^^
最近では使うお店が減りましたね。
どんな違いがあるのか楽しみだぜ。
正式名称はHENNA(ヘンナ)=植物の名前
エジプト・インド・北アフリカなどの乾燥した地域で古くから生えているミソハギ科の植物で
日本に持ち込んだメーカーがHENNA=ヘンナでは呼称しずらかった為にヘナになったそうです。
確かにヘンナカラーだと怪しいですよね。
紀元前からある最古のカラー技法の一つとされており、クレオパトラなんかも染めていたそう。
古代の時代では儀式的な意味での染髪が多く、特に白髪とは死を連想することから
白髪をぼかすことで死期を伸ばすと考えられていたらしいです。
ヘナは乾燥させた葉を粉末にし、水と合わせてペースト状にすることで髪の毛に塗ります。
これなら古代の人でも染めることできますね。
エジプトはとても日差しが強いため温度が高く、染料が髪に浸透しやすいという環境にありました。
ヘナの特徴・・・デメリット
ここからは100%植物成分のヘナカラーについて特徴について。
ちなみに100%じゃない紛い物もあるのですがそれはまた別の機会に解説します。
まずは初めにヘナのデメリットから簡単にお伝えしてましょう。
おおよそこれらのデメリットが考えられます。
通常のアルカリカラーとは正反対なのが天然のヘナカラー。
逆に言えばこれらのデメリットをなくしたのが科学染料とも言えますね。
確かにアルカリカラーよりだいぶ不便だね。
染めるのに時間がかかる。
前述した通りですが、ヘナはペースト状にした植物を塗っていきます。
温度を高めるためにウォーマーなどを使いながら染めていくのですが
天然成分のため簡単には色は定着しません。
早くて30分、遅くて3時間ということもありえます。
これは染料というよりは染める対象の毛髪強度に関係してきます。
この場合の強度とは太さとキューティクルの枚数です。
キューティクル
まずキューティクルの枚数が多い場合、髪に毛は水を弾きやすい性質が多いです。
ヘナは天然成分ですから、科学的にキューティクルをこじ開けることはできません。
そのため浸透圧が必要になりますが、水分を弾きやすい強い髪はこの浸透圧の効果が出づらいです。
なので髪を適度に濡らし、ペースト剤をたっぷり塗った上で
ラップとタオルを巻き、湿熱をしっかりと保たなければなりません。
太さ
髪の太さとはつまり「厚み」になります。
髪が細い=薄い場合は分子は深部まで到達するのにそこまで時間はかからないでしょうが
厚い場合はなかなか奥まで入っていきずらいでしょう。
特にヘナは主に白髪を染めるわけですからあまり中途半端だと綺麗に染まらないわけです。
ヘナは髪のタンパク質と結びつき発色します。
太い髪の毛はその分タンパク質量が多いので時間が明るわけですね。
つまり健康で強い髪は時間かかるってことですね。アルカリカラーにも同じことが言えます。
地毛は染まらない
100%のヘナは科学成分が入っていないのでメラニンの脱色効果がありません。
そのためメラニンたっぷりの地毛には染めたとしても明るくなることはなく
仮にメラニンが薄い地毛に染めた場合は暗く見えることがあり得ます。
なので白髪率が多くない人が染めた場合バラバラに染めたようなデザインに仕上がります。
もし仮に綺麗に見せたいのであれば、
あえてハイライトを入れてヘナで色を染めるという方法もありますが
その場合もしかすると色が変色する可能性も否めないのでご注意ください。
色の選択幅が少ない
一般的なアルカリカラーや塩基性カラーなどと違い
色のバリエーションが少ないというのは天然成分であるため仕方のないことだと思います。
基本的には赤・茶・緑・青・黄色などのバリエーションはありますが
その際の明度や彩度の選択肢が少ないのです。
発色にムラがある
これも同様に、原料である植物の産地や収穫時の状況などで色のバラつきが出ます。
染める際も髪の状態と染料の状態とが読めないため、色ムラが出やすいのもヘナの特徴ですが
人工的に染めた色ではなく、自然な風合いの染色になるので
その方がかえって好きだという人も一定数いらっしゃいます。
昭和とか平成生まれの人ならわかるかもだけど、土壁っぽい感じになるよ。
ヘナの特徴・・・メリット
次にヘナのメリットについて以下の点が挙げられます。
大きく分ければこの2つが考えられると思います。
普通にヘアカラーを想像すると身体に悪そうだし、髪は痛む傾向にありますが
100%ヘナは本当にアルカリカラーの真逆なんです。
身体に対してほとんど害がない
植物だから害がないというとあまりにも雑な答えになってしまいますが
カラーとして使用されているヘナ等の植物成分が身体に作用するということはありません。
通常、アルカリカラーなどの科学成分はアレルギー反応や白髪・薄毛の原因になる活性酸素など
身体に悪影響を及ぼす作用はどうしても否めません。
100%ヘナカラーにはそのような効果はないため頭皮にベタ塗りして基本的に問題はありませんが
ただ強いていうなら、植物に対するかぶれがないとも言えません。
なので完全に安全とも言い難いですが、人体への影響はほぼ0と言っていいでしょう。
頭皮に良いという話も聞きますが、あくまで負担がないと考えていただいた方が良いと思います。
髪に対してトリートメント効果がある
トリートメントというと聞こえはいいですが
正確に言えばダメージホールの穴埋めとキューティクルの収斂効果です。
ヘナに含まれている成分には「ローソン」と「タンニン」の2つの成分があります。
ローソンは髪の毛のタンパク質と絡みつきハリコシを。
タンニンはキューティクルを引き締める効果。
この2つの効果で弱くなった髪の毛の場合、ハリコシと艶が生まれ元気な髪に生まれ変わります。
これは僕が過去の記事にも上げている「疏水物」であり、言うなれば髪質改善成分と言えるでしょう。
ただしもちろん注意もあります。
やりすぎると軋んでごわつく
収斂効果の強いヘナはやり過ぎてしまうと髪がかなり軋んでしまいます。
これはダメージというわけではありませんが指通りが悪く残念な気持ちになりかねません。
また、粉末にしている分子たちが髪の隙間を埋めることで固く、ごわつく事もあります。
改善策としてはリタッチのみで染め続けることや
天然オイルを使用しながら髪の指通りを良くするなどいくつか挙げられます。
ヘナだけではなく、酸熱トリートメントとかもやり過ぎると軋むからやっぱり適度が一番なんだね。
その日に色が決まるわけではない
最後に、ヘナを染める際の注意点。
それが「その日に色が決まるわけではない」という事です。
どういうことかというと
ヘナカラーの染料は酸化して徐々に色が発色していきます。
特にインディゴと言われる色をメインに使用しているカラーは
初めは緑色に染まり、徐々に色が落ち着いて発色していくのです。
そのため、当日・3日後・1週間後での色の見え方は全然変わってきます。
通常のアルカリカラーは褪色していきますがヘナカラーの場合は初めに薄く、
時間経過で徐々に発色していき、そしてまた徐々に抜けていくのです。
そのためカラーとしての提案が非常に難しく、
時間もかかるため最近では美容室のメニューとして減ったのも事実です。
メリット・デメリットを理解してから染めよう
以上がヘナカラーに関する内容でしたがいかがでしょうか?
最終的にはオシャレとどう付き合っていくかを考えたときに
アルカリカラーなのか、それとも100%ヘナカラーなのか。
自分にとってどちらが理想的なのかを考えて染めていただけたら思います。
アルカリカラーでも、頭皮につけないゼロテクであれば身体への負担はありませんし
ハイブリットな考え方も可能だと僕は思っています。
お近くの美容師さんで詳しい方が入れば是非ご相談してみてください。
もしいなければ微力ながら僕がお答えしますのでお気兼ねなく。
では。
フリーランス美容師・TAMIO
奥田 益舟
(オクダ ヨシノリ)
♦︎GOOD NEIGHBORS柏店♦︎
“千葉県柏市柏3-10-30 第三泉ビル101”
千葉県柏市で“大人女性”の悩みに特化した美容師。
くせ毛で悩む女性の為のメニュー提案
白髪染めを使わないで染めるカラーをメインに
大人女性の髪のお悩みを解決していきます。
♦︎得意な技術♦︎
《ショートカット専用・曲がるラウンドストレート》
《ペタンとならないボリュームを残した縮毛矯正》
《癖毛を活かしたショートカット》
《脱白髪染めエイジングケアカラー》
《どんな癖にも対応した美髪矯正》
TAMIOgramでは髪に対するご質問やご相談は随時承っております。
お気兼ねなくご連絡ください^^
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